ハーバード大ローブ教授、UAP「オーブ」撮影専用の新観測所を提案 全天レーダーと1m望遠鏡で「2km先の豆粒」を解像
ハーバード大学のアビ・ローブ教授が2026年9月5日、米政府が公開したUAP資料で最大の謎として残る発光体「オーブ」を高解像度で撮影するための専用観測所の構想を発表しました。全天レーダーと口径1メートル級の望遠鏡を組み合わせ、必要なら分光器で材質まで調べるとしています。
米政府のUAP資料公開プロジェクト「PURSUE」で最も説明がつかないまま残っているのは「オーブ(orb)」と呼ばれる発光体だ――。UAP科学諮問委員会の議長でハーバード大学の天文学者アビ・ローブ教授が2026年9月5日、自身のブログでそう指摘し、オーブを狙って撮影するための新しい観測所の構想を公表しました。
米政府資料に残った「最大の謎」=オーブ
米国防総省のUAP資料公開プロジェクト「PURSUE」は2026年5月から8月までに5回の公開を行いました。ローブ教授は、その中で最も説明がつかないまま残っているのが大きさ数メートル規模とみられる発光体「オーブ」だとしています。第2弾では、ある上級情報将校が2025年にオレンジ色のオーブを1時間にわたって観察し「ほとんど言葉を失った」と述べた証言が、第5弾では、ヘリコプターの乗員が1時間以上続くオーブの群れとの接近遭遇を報告し、うち2個は「楕円形で、オレンジ色に白または黄色の中心を持ち、全方向に光を放っていた」とされる事案が紹介されています。第5弾には空中で静止する黒い球体を捉えた赤外線映像も含まれます。2021年9月にオマーン湾でAC-130Jガンシップが記録した約25個の「冷たいオーブ」は時速250〜1300マイル(マッハ0.3〜1.7)で機動し、機関砲の射撃に15秒以内で反応するように動いたとされています。
「AAROが解けずにいる曖昧な残り」をどう埋めるか
ローブ教授は、これらのオーブ事案の多くが赤外線・電子光学の映像や手持ちの撮影、目撃証言に頼っており、独立したレーダー航跡を伴わない点を問題視しています。対照的に、第5弾の1965年のCIAメモにある三角形の物体は、プエルトリコ沖で米駆逐艦ガイアットのレーダーがマッハ3で追尾したとされ、すべてのUAPがオーブというわけではないとも述べています。教授は、オーブ事案を国防総省のAARO(全領域異常解決室)が説明しきれずにいる「本当に曖昧な残余」と位置づけ、「AAROと国家情報長官室(ODNI)が任務を果たすのを科学の側からどう助けられるか」を問うたうえで、その答えとして新しい観測所の構想を示しました。
構想「UAPオーブ観測所」=全天レーダー+1メートル望遠鏡
構想は2つの要素から成ります。1つは空にある対象を検知して天球上の座標を割り出す全天レーダー。もう1つは、その座標へ向けて対象を1秒角以下の分解能で解像する口径1メートル級の望遠鏡です。教授の試算では、この分解能があれば2キロメートル先にある数センチ(園芸用の豆粒ほど)の細部まで見分けられます。レーダーは自ら電波を出して反射を探す「能動型」でも、地上の放送波や衛星電波の反射を拾う「受動型」でもよいとされます。望遠鏡は市販のCDK1000システムが候補に挙げられ、ドームは毎秒3度で旋回できるため、上空に1分以上とどまる対象なら十分に追尾でき、「1時間続くとされるオーブは容易な標的のはずだ」としています。
分光器を付ければ「材質」も分かる可能性
望遠鏡に分光器を組み合わせれば、オーブが放つ光のスペクトルから材質を推定できるといいます。教授は前例として、2012年に落雷を研究していたチームが偶然、自然現象の「球電(ボール雷)」のスペクトルを分光器で記録した事例を挙げます。このとき得られたスペクトルにはケイ素・鉄・カルシウムなど土壌に含まれる元素の輝線が並び、球電を土壌由来のケイ素蒸気と結び付ける物理モデルを裏付けました。ローブ教授が率いるハーバード大学の「ガリレオ・プロジェクト」は、次に建設する観測所をこの構想に基づく「オーブ・イメージャー(orb imager)」として設計する方針だとしています。
編集部注:本記事は研究者個人がブログで公表した観測所の構想を紹介するものです。予算措置や建設のめどが立った段階ではなく、政府の計画でもありません。ガリレオ・プロジェクトは現在、マサチューセッツ・ペンシルベニア・ネバダ州の3カ所に観測所を運用しています。
出典: Avi Loeb(Medium) (本文は同出典の報道内容を編集部が要約したものです)
コメント (0件)