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天文学者ら、1950年代「人工衛星以前のUFO」論文に反証 「22シグマ」は乾板の傷

2026-08-28 20 views 0コメント

スプートニク打ち上げ前の写真乾板に「地球を回る人工物」を見つけたとする2025年の論文について、天文学者らが査読誌で「統計解析の前提を満たしておらず、異例の有意性は誤りだ」とする反証を発表しました。2026年8月28日に各社が報じました。

反証の対象となったのは、天文学者のベアトリス・ビジャロエル博士が率いる「VASCO(1世紀にわたる観測で消えた・現れた天体)」プロジェクトが2025年に発表した2本の論文です。

もとの主張

VASCOは、パロマー天文台が1957年のスプートニク打ち上げより前に撮影した写真乾板から、数秒で消える点状の光(トランジェント)を多数検出したと報告しました。第1論文では、こうした光が地球の影に入る時間帯に減ることを「太陽光を反射する人工物がある証拠」と解釈し、物理学で決定的とされる「5シグマ」を大きく超える「22シグマ」の有意性があると主張。バンダービルト大学の研究者との第2論文では、光が現れた日付と米国の核実験の日付が統計的に相関するとして、地球外による監視の可能性に言及しました。

「70年前のガラス乾板の傷とほこり」

反証したのは、ウェルズリー大学のウェスリー・ワッターズ氏とニューヨーク州立大学アルバニー校の物理学者ケビン・ナス氏ら。オーストラリアの研究者も加わり、査読誌「Publications of the Astronomical Society of Australia(PASA)」に「POSS1-E写真乾板における技術痕跡の主張に関する批判的評価」と題した論文が掲載されました。両氏はもともとUAPの科学的研究に前向きで、ハーバード大学のアビ・ローブ教授の「ガリレオ・プロジェクト」にも関わってきた人物であり、頭から否定する懐疑派ではありません。

「22シグマ」は消えた

論文の指摘は主に次の通りです。(1)70年前のガラス乾板にはほこり・すり傷・乳剤のムラ・複製時のノイズが多く、空の天体と見分けがつかない。(2)「トランジェント」とされた点は乾板の縁に偏り、帯状に消えたり地域的に固まったりしており、統計解析の前提である「おおむね一様でランダムな分布」を満たさない。(3)実際のデータを組み直すと、地球の影の時間帯に光が減るという効果は消えた。影に入る乾板は645枚中11枚(完全に影に入るのは5枚)しかなく、有意性の大半は欠陥の多い帯にある1枚から来ていた。(4)核実験との相関は観測期間の取り方を誤っており(実際の312日ではなく2,718日を使用)、正しく計算し直すと有意性が失われた。(5)乾板の欠陥を最初から「本物のトランジェント」と仮定し、その仮定を使って本物だと論じる循環論法になっている。

ワッターズ氏は「頑健な統計解析には、おおむね一様でランダムな母分布が必要だ。VASCOの検出はこの基本的な検証に通らない」と述べています。報道は、査読を経た批判を無視して未査読の反論をネット上で流すような態度について、「より良いデータとより良い数学で自説が崩れることを受け入れられないなら、それはもう科学ではなく別の何かだ」と警告しています。

VASCO側は反論

ビジャロエル博士は、ワッターズ氏らの批判が「個々の天体の検証」と「集団としての統計推論」を混同しており、別の目的で作られた縮小版データセットに依拠していると反論する応答論文を公開しています。論争は決着していません。

編集部注:本記事は査読誌に掲載された批判論文と各社報道をもとに編集部がまとめたものです。VASCO側は反論しており、学術的な議論は継続中です。この件はUAP全般の真偽ではなく、1950年代の写真乾板データの解釈をめぐる方法論上の論争です。

出典: International Business Times UK (本文は同出典の報道内容を編集部が要約したものです)

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